名古屋名物、私のイチオシは「清水義範」です

私にとって「名古屋のナンバーワンの名物」は、人気作家の清水義範氏です。清水氏は、生粋の名古屋っ子。名古屋市内で生まれ、小中学校はいずれも市立校。高校は県立名古屋西高。さらに、大学は愛知教育大学という徹底ぶり。

そして、「作家・清水義範」を世に知らしめた、いわば出世作のタイトルが「蕎麦ときしめん」。蕎麦に代表される東京文化と、名古屋のきしめん文化を対比させた「パスティーシュ小説」です。

パスティーシュはパロディの一種と、ざっくり考えて間違っていないと思います。清水氏はパロディ小説で、作家としての地歩を固めたのです。

そしてその最初の一歩が「蕎麦ときしめん」でした。これは清水氏が故郷の名古屋を徹底的にこけおろした、いわば「自虐小説」です。

その作品は知的でユーモアにあふれています。同時に意外なほど「まっすぐ」で、どれほど自虐や皮肉を込めようと、嫌味な感じがまったくしません。

私は清水義範の小説のファンになってから、名古屋のイメージがかなり変わりました。名古屋は戦国時代以来の歴史を持つ、ソフィスティケイトされた知的な大都市なのだと、今は思っています。